好奇心は偉大なり

塾の講師でありながらこんなことを言ってしまっていいのか分かりませんが、私は自分の子供たちには学習面でほとんど何も教えずに来ました。

(といってもまだ長女が7歳、次女は4歳、長男は2歳ですが)

もちろん、「これは何?」など質問があれば答えますが、こちらから幼児教育のようなものを行ったことはありません。

一生懸命教えたことと言えば、人から何かしてもらったときは「ありがとう」を言うこと。人に迷惑をかけたときは「ごめんなさい」と言うこと。

そのくらいです。

しかし、面白いことに長女は小学校に入る前から、平仮名もカタカナも読めましたし、簡単なたし算・引き算もできました。

幼稚園で習ったのか、というと私の子供たちが通う狭山市にある幼稚園は、市内でも屈指の自由奔放主義、野生児ばかりの幼稚園で勉強などは一切教えないのです。

おそらくテレビや友達から教えてもらったのでしょう。

たしかに長女は絵本を開いては、「これはなんて読むの?」など頻繁に聞いてきたように思います。

もともと勉強に対する好奇心はあったのかもしれません。

話は続きます。

今度は下の二人の話です。

4歳の次女と2歳の長男。

4歳の次女は今の時点で読めるのは平仮名数個です。

自分と兄妹の名前に使われている文字程度が読めるくらい。

何も教えてないのでこれが普通なのかもしれません。

一方で今月3歳になる2歳の長男はすでに平仮名とカタカナは全て読めます。

読めるだけでなく、平仮名、カタカナの半分くらいはどうやら書けるようです。

さらに水・川・山・一・二などの簡単な漢字もなぜか読めます。アルファベットもなぜか読めます。

長男に関してはまだ幼稚園に入っていませんので、おそらくテレビや家族の会話から学んだのだと思います。

彼を見ていると、遊びの大半が字を読むことと字を書くことです。

(夜中に私が帰宅したときに暗い居間で一心に文字を書いている彼を見た時はちょっと怖くなりました…)

公園に行っても上の二人は一目散に遊具に駆け寄りますが、彼の場合は遊具の横にある注意書きの看板にまず駆け寄ります。

彼は文字が大好きなのです。文字に対して好奇心の塊なのです。

(だからスーパーに連れて行くと地獄が待っています。商品名をいちいち読むので目的の場所になかなか着けません…)

好奇心があればどんどん知識を吸収していくんだなぁ、ということを自分の子供を通して改めて感じています。

(一方で次女を見ていると、好奇心がないと本当に覚えないんだなぁ…と。)

では自分の仕事を考えたとき、皆さんに「勉強に好奇心を持って」と言えばいいのか!というとそんなに簡単なものではありませんよね。

好奇心を持つ、持たないというのは他人から言われてすぐに「はい好奇心持ちました!」なんてものではないでしょうから。

(ちなみに次女は長女と長男が一緒に字を書いたり読んだりしていると、その場から離れます。気持ちが勉強を拒絶しているのでしょう、その気持ちもよく分かる気がします。)

「好奇心を他人が植え付けるのは難しい」とはいえ、皆さんが目の前の勉強に少しでも好奇心を持ってもらえるように、もっと工夫をしないとな、と思います。

好奇心のある・なしにかかわらず皆さんは小中学生の宿命として勉強しなければいけない立場だとは思いますが、ちょっとでも勉強に対する嫌悪感が薄まるような授業・指導を心がけたいと思います。

皆さんが次女のように勉強の匂いのする場所からすぐに逃走することのないように。。

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