先日、埼玉県教育員会から今の中3生から始まる公立入試における面接についての案内が発表されました。
令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における面接について(埼玉県教育委員会)
私なりに内容をまとめてみましたので、気になる人はご覧ください。
「何をやったか」より「なぜやったか」が問われる
令和9年度の埼玉県公立高校入試では、全受検生を対象に面接が実施されます。
これまでの埼玉県公立高校入試では、一部の学校や学科のみが面接を実施していました。しかし新制度では、全員が面接を受けることになります。そこで多くの生徒さんや保護者様が気になるのは、
「どんな質問が出るの?」
「何を準備すればいいの?」
「話すのが苦手でも大丈夫?」
という点かもしれません。
結論から言うと、今回の面接で最も重要なのは「自分自身を振り返り、自分の言葉で語れること」になりそうです。話し方の上手さや実績の多さを競う面接ではないようです。
面接の目的が大きく変わった
県の資料には、
「実績そのものではなく、そこに至るまでの過程(プロセス)や意欲、身に付いた力を評価する」
と明記されています。
つまり、
- 部長だった
- 県大会に出場した
- 英検を取得した
という結果だけでは高評価になりません。
例えば同じ部活動でも、
「なぜ続けたのか」
「壁にぶつかったときどう考えたのか」
「何を学んだのか」
を説明できることが重要になります。
極端に言えば、目立った実績がなくても、
「苦手教科を克服するために毎日30分勉強を続けた」
という経験を深く語れる生徒の方が評価される可能性があります。
最大のポイントは「My Voice」
今回の面接で最も特徴的なのが「My Voice(マイボイス)」です。
面接の最初に、受検生が1分30秒から2分程度、自分について話します。
県の資料では、
- これまで力を注いだこと
- 心が動いた経験
- 学んだこと
- 高校で挑戦したいこと
- 将来の目標
などを自分の言葉で表現する時間と説明されています。
ここで大切なのは、「完璧なスピーチ」を作ることではありません。
むしろ、
- なぜそう考えたのか
- どんな気持ちだったのか
- 何を学んだのか
を具体的に話せるようにすることが重要です。
面接対策で最初にやるべきこと
多くの受験生は、
「志望理由を考えよう」
から始めます。
しかし今回の面接では、それより先にやるべきことがあります。
それは、
『自分の中学校3年間の見直し・分析』
です。
具体的には次のようなことを書き出すと良いかもしれません。
- 部活動
- 委員会活動
- 学級活動
- 学校行事
- 習い事
- ボランティア
- 趣味
- 家庭での経験
- 勉強への取り組み
その中から、
「自分が頑張ったこと」
「印象に残っていること」
を選びます。
そして、
①なぜ取り組んだのか
②どんな苦労があったか
③どう乗り越えたか
④何を学んだか
⑤高校でどう生かしたいか
まで整理するといいかもしれません。
想定質問は「深掘り型」になる
面接官はMy Voiceや自己評価資料を参考に質問します。
そのため、
「部活動を頑張りました」
だけでは終わりません。
例えば、
- なぜその部活を選んだのですか?
- 一番苦労したことは何ですか?
- その経験から何を学びましたか?
- 高校ではどう生かしたいですか?
というように深掘りされる可能性があります。
したがって対策としては、
「答えを暗記する」
のではなく、
「自分の経験を説明できるようにする」
ことが重要です。
話すのが苦手でも心配はいらない
県の資料では、
「話の上手さや正確さを評価するものではない」
と繰り返し説明されています。
また、
- 言葉に詰まってもよい
- 人前で話すことが苦手でもよい
- 成功体験がなくてもよい
とも示されています。
つまり評価されるのは、
「流暢さ」
ではなく、
「自分で考えたことを伝えようとする姿勢」
です。
塾での対策
このような面接を踏まえると、従来の面接練習だけでは不十分だと思います。
塾では以下のような対策を受験生と一緒に取り組んでいこうと考えています。
- 自己分析
- 自己評価資料作成
- My Voice作成
- 質問への応答練習
特に重要なのは最初の自己分析になるかと思います。
受験生自身の中学3年間を振り返り、
「何をしたか」
ではなく、
「なぜそうしたか」
を受験生と一緒に何度も繰り返し考えていく必要があるかと思っています。(おそらく一人一人の生徒さんと何度もやり取りを重ねていくことになるかと思います。)
まとめ
令和9年度埼玉県公立高校入試の面接は、これまでの面接とは考え方が大きく異なります。
評価されるのは、
- 実績の大きさ
- 話し方の上手さ
- 暗記した志望理由
ではありません。
評価されるのは、
- 自分を振り返る力
- 経験を言葉にする力
- 学び続ける意欲
- 将来に向かう姿勢
です。
これからの面接対策は「受け答えの練習」ではなく、「自分自身を理解する練習」が中心になるかと思います。
今回は受験生向けの記事として書きましたが、中学1年生・2年生も公立高校受験をする場合は先輩たちと同じように面接が課せられます。
ぜひ中学1年生・2年生のうちから日々の経験を振り返る習慣をつくり、自分の言葉で語れる力を育てていきましょう。