昨日の中3生の理科で「位置エネルギー」という言葉が出てきました。
簡単にいえば高いところにあるものが持つエネルギーです。
たとえば皆さんが腕を前に出して卵を持って立っているとします。
そして、卵を手から放します。
すると、卵はどうなるでしょうか。
当たり前ですが、下に落ちますよね。言い換えれば下に運動を開始するわけです。位置エネルギーが運動エネルギーに変わり、最後、卵が地面にあたって割れます。エネルギーがあるからこそ、割れるわけです。
そんな「位置エネルギー」という言葉を見ると、忌々しい思い出の巨大建造物が山梨県にあります。
その名もFUJIYAMA…
知っている人もいるかもしれません。
山梨県が誇る絶叫系遊園地「富士急ハイランド」が誇るジェットコースターの名前です。(※ジェットコースターは正式にはローラーコースターと言うそうです。英語でroller coasterです。)
ジェットコースターの仕組みは位置エネルギーを利用しています。乗ったことのある人は知っていると思いますが、まず最初、ジェットコースターは高いところまで引き上げられます。
思い出します。まだ20代だった若き日の山口青年は富士山の麓で友人のF君に「全然怖くないぜ!むしろ絶対に楽しいから!」と騙され、半ば強制的にFUJIYAMAに乗せられました。そしてFUJIYAMAの座席の中で、その圧倒的な位置エネルギーを体感することになったのです。
FUJIYAMAの頂上から見る富士山の雄大な姿…今でも忘れられません。「これが俺の富士山の見納めか…」そう思った瞬間、FUJIYAMAが溜めに溜めた位置エネルギーを一気に運動エネルギーに変え始めました。
ジェットコースターに乗っているお客さんの映像など見ると、よく笑顔で「キャー」とか言ってますよね?
人間本当に怖いと声など出せません。私はFUJIYAMAに乗っている間にとにかく何回も「死ぬ!」と思いました、その間ずっと無言だったそうです。(F君談)
乗り終わってゾンビのようになった私を見てF君は「な?面白かっただろ?もう一回乗ろうぜ!」と、まるで私の表情を無視したかのような発言を繰り返しました。(彼はその後、一人で3回くらいFUJIYAMAに乗っていたように思います。)
ちなみに私は未だにジェットコースターなど絶叫系を一切面白いと思いません。ただただ怖いとしか思えないのです。FUJIYAMA以降に乗ったジェットコースターのような乗り物と言えば、北軽井沢にあるおもちゃ王国のドラゴンコースターと埼玉県加須市にあるむさしの村のサイクルコースターくらいです。幼稚園児でも乗ることのできるそれらの乗り物でさえ、私にとっては怖いのです。
そもそも私は観覧車でさえ、家族が乗ったとしても一人で地上に残ることを選びます。高いところがそもそも苦手なのです。
さて、ジェットコースターと位置エネルギーの話に戻ります。ジェットコースターは高いところにのぼり、それを運動エネルギーに変換することで凄いスピードで走ります。ただし、最初に得られた位置エネルギーがすべて運動エネルギーに変わるわけではありません。
空気抵抗やジェットコースターとレールの接している部分で発生する摩擦によって、熱エネルギーとして徐々にエネルギーが消耗していきます。よって最初の一番高い位置まで戻ることはできませんし、スピードをどんどん加速していくことなどは基本的にはできないのです。
つまり、最初が一番怖い。最初を乗り切ってしまえば後は楽ということ…
ただ、FUJIYAMAなどは最初が尋常に怖い(=異様に高い位置まで引き上げられ、位置エネルギーをためすぎる。)ので、その後も結局怖いのが続くんですね。。
逆に最初が怖くなければずっと怖くない訳です。
ということで、私が乗ることができる2つのジェットコースターを考えてみました。
① 最初の位置エネルギーをできるだけ溜めさせないジェットコースター。
☝このように最頂点が低いジェットコースターであれば、位置エネルギーも少ないですので、その後の運動エネルギーもたかが知れています。これなら笑顔で乗ることができそうです。
② 摩擦を大きくすることで運動エネルギーにできるだけ変換させない。
☝仮に高い位置まで連れていかれ位置エネルギーをジェットコースターに溜めさせたとしても、それをできるだけ熱エネルギーに変え、運動エネルギーに変わるのを防げれば何とか乗れるかもしれません。運動エネルギーにさえ変わらなければ、スピードは速くなりませんから。ジェットコースターとレールの間に摩擦が大きくなるような素材を設置すればいいかもしれません。たとえばゴムなど。ただし、高いところがそもそも苦手なので、できるだけ①のジェットコースターに乗りたいですが…
小中学生の皆さんはこの先の人生の中で何回もジェットコースターに乗るかもしれません。その際は「おぉ、位置エネルギーが溜まってるなぁ。」とか、「おーーー、運動エネルギーがスゴイぞぉーーー!!」とか、力学的エネルギーを感じながらジェットコースターを味わってみるのもいいかもしれません。
私自身は二度と乗ることのないように祈っておりますが…