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本の紹介コーナー

私は山羊になりたい。

 突然ですが皆さん、人生ってヤバいですよね。  私の話ですが、この世に生を受け、よく分からないままに勉強し、流されるままに生きてきて気が付いたら二十歳。ネットを開けば暗いニュースばっかりで、就職難だの不景気だの、そんな言葉が回転寿司のように次から次へと流れていきます。 「あ~~~、何もかも投げ出した~い!全部放り出して海とか行きた~い!それでウニとかカニを山ほど食べた~い!」  とか思いながら仕事 […]

「さそりの心臓」

 突然ですが皆さん、アンタレスという星をご存じでしょうか。夏の南の夜空に浮かぶさそり座の中心に輝く、赤い一等星です。別名は「さそりの心臓」。その直径は太陽の約700倍、明るさは数万倍にもなるそうです。今の季節、晴れていれば見ることができるかもしれません。  今回紹介する小説は、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」です。ジョバンニという少年が友人のカムパネルラと一緒に、宇宙を走る列車に乗って銀河をめぐるお話です […]

「時を戻そう」高水裕一『時間は逆戻りするのか』

 突然ですが皆さん、時間を巻き戻したいと思ったことはありませんか?私は頻繁に思っています。最近、特に時間を戻したいと思ったのは、中学校の同窓会のライングループで他人の招待を間違えて消してしまった時でしょうか。あの時ばかりは泣きそうになりましたね。今思い出しても冷や汗が止まりません。まさかこの年齢になって、中学の同級生に対して孤立感を抱くことになるとは思っていませんでした。皆さんも気を付けてください […]

夏目漱石『夢十夜』

 暑い日が続いております。いかがお過ごしでしょうか。  突然ですが、皆さんは夢を見ていますか?私は毎晩、毎晩、悪夢にうなされる日々が続いています。ほとんどの場合、夢の具体的な内容は朝起きると忘れてしまい、大まかな印象だけがぼんやりと残っているのですが、強烈な内容だと起きた後も夢の中の光景が頭にこびりついて離れません。最近見た夢で特に印象的だったのが、夕食の味噌汁の中に、私の大嫌いなトマトが輪切りで […]

「読書感想文の書き方」について書かれた本について書く

 夏休みに入って数日が経ちました。いかがお過ごしでしょうか。部活で忙しい方も、勉強に力を入れている方も、体調にだけは気を付けてください。私事なのですが、昨年、汗をかいたまま扇風機の風を一身に受けてゲームをしていたら、見事風邪をひきました。熱も40度を超えて、ものすごく苦しかったです。とはいえ、それは自業自得で、因果応報で、身から出たさびなのですが。皆さんも気を付けてくださいね。  さて、夏休みと言 […]

「晩年の芥川」

前回は太宰治『晩年』について書きました。今回は芥川龍之介について書きたいと思って彼の「歯車」という作品を読み返していたのですが、物凄く暗いです。前回お話ししたように、太宰は暗いという評価がされがちなのですが、個人的には芥川のほうが救いのない小説を書いているように思います。  芥川龍之介は「鼻」という短編を夏目漱石に絶賛されて、その後も説話物語などの古典を下敷きにした短編を多く発表します。「羅生門」 […]

太宰治『晩年』

皆さん、太宰治という作家はご存じでしょうか。「走れメロス」を書いた、あの太宰治です。1909年に青森県で生まれ1948年に玉川上水で入水自殺を遂げました。彼の遺体が上がった6月19日は、奇しくも彼の誕生日でもありました。このことから彼の命日である6月19日は、彼の作品にちなんで「桜桃忌」と呼ばれており、夏の季語にもなっています。  太宰治の最初の作品集は27歳の時に刊行されました。題名は『晩年』。 […]

デレク・ハートフィールド『冒険児ウォルド』

突然ですが皆さん、デレク・ハートフィールドという作家をご存じでしょうか。知らない方がほとんどだと思います。私もつい先日まで知らず、同じアドバイザーであり、私よりもはるかに本に親しんでいる佐伯さんに教えてもらって初めて名前を聞きました。  さて、彼は1909年にアメリカ、オハイオ州の小さな町で生まれ、1938年のある晴れた日曜日の朝にニューヨークのエンパイア・ステート・ビルから落っこちて亡くなりまし […]

「夢ならばどれほどよかったでしょう。」梶井基次郎『檸檬』

私はいろいろなことがあるたびにこのフレーズを思い浮かべます。朝寝坊したとき、テストの点数が悪かったとき、電車に乗り遅れたとき、忘れた物を取りに帰ったら確実に遅刻するとき、などなど。 ご存じの通り上のフレーズは米津玄師が書いた「Lemon」という素晴らしい曲のワンフレーズです。今回は「Lemon」について……ではなく「檸檬」について書きたいと思います。そう、文豪・梶井基次郎が著したあの「檸檬」です。 […]