よく言われます。
運動を頑張っている生徒ほど成績がいい。
確かにいますよね、運動も勉強もできる生徒。
もちろん、全員が全員そうである、という極端な話をするつもりはありません。
運動が苦手でも勉強ができる生徒はいますし、その逆に運動が得意でも勉強が苦手な生徒もいますから。
ただ、この運動を頑張っている生徒ほど成績がいい、という話。
塾講師をやっていると、納得する部分も多いのです。
部活やクラブチームで忙しく、本当に限られた時間しか塾に来ることができない。
限られた時間しか勉強することができない。
だから成績が悪い?
違うんです、こういう生徒ほど結構勉強も頑張ってくれて、成績を上げていくことがあるのです。
もしかしたら、「本気になる」という訓練を積んでいるからかもしれません。
運動で「本気になる」という訓練を積んでいる生徒たちは、勉強でも「本気になれる」。
では、「本気になる」と言うのはどういうことか。
限界を少しでも超える一歩を踏めるかどうか、そんなことを考えます。
たとえば10の能力があるとして、今日は11までやってみるという一歩。
最初は辛いんです。能力が10しかないわけですから、1の部分は間違いなく負担になるんです。
でも、本気の11を続けているといつの間にか能力が11になっている。
次は本気で12をやってみる。やはり、最初は辛い。能力が11しかないわけですから、どうしたって超過している1の部分は辛いんです。
でも、それもやがて辛くなくなる。能力が12になっているから。
「本気になる」とは、このような自身の能力への挑戦ができるかどうかなのかもしれません。
自分で言えばマラソンです。
たとえば本格的に9月から始めるトレーニング。
最初は5㎞を25分で走ることもできないんです。
だからと言って、5㎞を30分で走るようなトレーニングを続けていては、いつまで経ってもタイムは縮まらない。
無理を承知で5㎞を25分切るようなトレーニングをやらなければいけない。つまり、本気にならなければいけないんです。
25分を切ったら、次は24分、次は23分・・・そして20分。
どれだけ「本気になる」ことを繰り返せるか。
部活動やクラブチームで汗を流している生徒たちは、もしかしたらこういう「本気になる」訓練を繰り返しているのかもしれません。
本気で勉強しろ。
口では簡単に言えます。
でも、「本気になる」訓練ができていなければ、それは難しいことなのかもしれません。
「本気になる」って辛いんです。
5kmを25分でしか走れない私が、25分を切るようなトレーニングをやろうとすること自体が苦痛なんです。
本気になることの辛さ、苦しさが分かっているからこそ、できれば本気になりたくない。
「本気になる」ことを自分自身の心が妨げるのです。
皆さんの勉強もきっと同じ。
本気にならなければ成績が上がらないのは、ほとんどの皆さんが分かっている。
でも、本気になることの辛さも分かっている。
だから、本気になれない。
じゃ、どうしたらいいのか?
それでも「本気になる」しかない。
辛さが分かっていても、そして実際、本気になることで疲れたり、「あぁ、もう嫌だな…。」と思ったとしても、それでもなお無理にでも「本気になる」しかないんです。
「本気になる」辛さを克服したいなら、「本気になる」辛さから逃げてはいけない。辛さを受け入れて、それに耐えてこそ、その辛さを乗り越えられる。そして成長できる。
夏休みが始まります。
受験生。
夏休みの間にどれだけ多く、本気になれるか。辛さを乗り越えられるか。
その数が多ければ多いほど、9月に結果として出てくるはずです。
この夏、全員が本気で毎日を過ごしてください。