時間の値段は測れるか?

 突然ですが皆さん、「Time is money」ということわざを知っていますか?日本語で言うなら「時は金なり」でしょうか。時間はお金と同じように大切だ、という意味の言葉です。この言葉を座右の銘などにしている有名人も結構いらっしゃるとか。

 しかし本当に時間とお金は同じくらい価値のあるものなのでしょうか。いま私は大学生で、わざと単位を落として大学にお金を支払えば、もう一年在籍して社会に出る時期を先延ばしにすることができます(いわゆる留年ですけど)。実際にそうやって勉強したり遊んだりする時間を増やそうとする大学生も、ごくごくわずかですがいるそうです。

 これは時間をお金で買ったことになるでしょうか?確かに一年ぶんの大学に滞在する時間を買ったように見えるかもしれません。しかし大学の在籍期間を延ばしたところで人生の総量は変わりません。「大学にもう一年通って遊びまくるぜ!foo↑↑yeah↑↑」なんて喜んでも、その分寿命が延長されるなんてことは決してありませんよね。だから正確な意味で時間をお金で買うことは不可能だと私は思います。

 ミヒャエル・エンデ 著『モモ』は現代人の時間の在り方を書いた児童文学です。時間泥棒という人たちが現れ、現代人たちの時間を奪い取ってしまいます。時間を奪われた人たちはますます時間を節約するようになり、心のゆとりがなくなってしまいました。それをどうにかすべく、モモという女の子が立ち上がります。

 『モモ』にも記されていることですが、時間とは生きることそのものです。そういった意味で時間はお金よりもはるかに大切だと思います。大学生はお金を払えば延長することができますが、高校や中学の学生生活は残念ながら延長することができません。だからといって、後悔しないように一日一日を送ってください、みたいな説教臭いことを言うつもりはありませんが、学生生活はおそらくそれなりに貴重です。値段はつけられません。私もできるならもういちど中学、高校生活を送りたいくらいです。どうしても学校に行きたくない方がいましたらおっしゃってください。私が代わりに制服を着て学校に行きますので。

 話がだいぶそれてしまいました。しかもとびっきり悪い方向に。

『モモ』は世界中で読まれている児童文学の名作です。時間に追われてあくせくしている方の心にきっと響くと思います。ぜひお手に取ってみてはいかがでしょうか。(大崎)

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