「腹痛が痛い」
「過半数を超える」
「後で後悔する」
「犯罪を犯す」
上の4つの表現。
実はおかしい日本語であることに気付きますか?
これは全部、二重表現になってしまいます。
「腹痛」は「腹が痛い」という意味ですから、それに「痛い」をつけたら「腹が痛いのが痛い」ということになってしまいます。
「過半数」は「半数を超える」という意味ですから、それに超えるをつけたら「半数を超えるのを超える」ということになってしまいます。
「後悔する」は「後で悔やむ」という意味ですから、それに「後で」をつけたら「後での後で悔やむ」ということになってしまいます。
「犯罪」は「罪を犯す」という意味ですから、それに「犯す」をつけたら「罪を犯すのを犯す」ということになってしまいます。
などと、偉そうに書いていますが私自身、たとえば子どもと話している時に
「後で後悔しても知らないぞ?」とか、無意識に使っているような気もしますが。。
さて、長々と前置きをしてしまいましたが、記事のタイトルの話に移ります。
「家ん家」
さて、これは何と読むでしょうか?
皆さん、分かりますか?
これは「いえんち」と読みます。
もちろん正式な言葉ではありません。
私の長男(春に小学1年生)が最近よく使う言葉なのです。
どういう状況下でこの言葉が使われるかと言うと
「学校まで歩いて行くんでしょ?家ん家からどのくらいかかるの?」
という感じで使われます。
はじめ、この言葉を聞いた時、「イエンチ」という名前のお店が近くにできたのかと思いました。
ですから、私は
「『イエンチ』って知らないんだけど、どこにあるの?」
と聞き返した訳ですね。
すると、長男は完全に私をバカにしたように
「えー、知らないの(笑)?この家のことでしょ~、ここだよ、ここ。あはははは。」
と。
このまま小学生になり、学校で「家ん家」「家ん家」と言っていたらマズいので、
「お前の言ってる『家ん家』ってこう書くからね。これだと『家の家』って意味だから二重表現だよ。『俺の家』とか『僕の家』って言わないと誰の家か分からないでしょ。」
と教えると、急に黙り込んで恥ずかしそうにしていました。(彼はこういう部分のプライドが妙に高く、自分の間違いを指摘されると弱いのです。)
しばらく後。
遊びに来ていた次女の友達に長男が話しかけているのを聞くと、
「僕の家ん家(ぼくのいえんち)の前で遊べばいいじゃん!」
と。
「僕の家ん家」
私の言葉は彼に伝わっているのか、伝わっていないのか・・・
とりあえず、「家ん家」だと誰の家か分からないというのは伝わったようです。
が、「家ん家」が二重表現であることは伝わっていないようです・・・( ;∀;)
私もいい歳をしたオジサンですから流石に「家ん家」という二重表現は使うことはないとしても、冒頭に挙げたような二重表現は無意識に使うこともありそうな気がしますので、長男に注意するだけでなく、私自身も正しい日本語を使うように気をつけたいと思います(;^_^A