ジハイドロゲンモノオキサイド

 突然ですがみなさん、ジハイドロゲンモノオキサイド(DHMO)という化学物質をご存知でしょうか。

 この物質は水素と酸素の化合物で、一酸化二水素とも呼ばれます。古くから利用されてきた物質ですが、一方で多くの事故を生み出してきました。

 たとえば、

・重たいやけどの原因になる。

・吸引によって窒息を引き起こす。

・末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。

・地形の浸食を引き起こす。

・電気事故の原因となり、自転車のブレーキの効果を低下させる。

・温室効果を引き起こす。

 といった、ネガティブな現象の原因となっています。

 それなのにジハイドロゲンモノオキサイドという物質は規制されず、人々の生活に浸透しています。

 さて、この物質を法律で規制するべきでしょうか。

 アメリカの大学でこのような質問をおこなったところ、50人中ほとんどの人が、ジハイドロゲンモノオキサイドを規制することに賛成したそうです。

 さて、この物質なのですが、化学式で表すとH2Oになります。

 中学2年生より上の学年なら、なじみのある式ですね。ジハイドロゲンモノオキサイドとは、水を少しだけ難しく表したものです。上記のネガティブな文は事実ではありますが、それは水のごくごく一部の性質を抜き出したものにすぎません。

 このエピソードは、人間がいかに騙されやすいのかを端的に表しています。悪い要素だけを取り出して印象操作されている情報は世の中にあふれかえっていますが、人間の認知はそういった印象操作にかなり弱いです。ご家族や友だちにこの話をしてみると、それが実感できるかもしれません。

 みなさんはこのジハイドロゲンモノオキサイドが、水であることを見抜けたでしょうか。危険なのはジハイドロゲンモノオキサイドではなく、情報を操る人間です(場合によっては水もおそろしいですけど)。

 悪意を持った人間はこのような情報操作を多用します。そういった悪意に引っかからないためにも、勉強は大切なのかもしれませんね。

TOP