「ガリポタが飲みたい!!」
朝から3歳の長男が騒いでいます。
その周りでは5歳の次女と7歳の長女がゲラゲラ笑っています。
「ガリポタってなに?ギャハハハハ!!」
お姉ちゃんたちに笑われ、長男はさらに怒りながら
「ガリポタを持ってきなさい!!わーーーッ!!」と癇癪(かんしゃく)を起しています。
朝の支度の忙しい中、妻は構っていることができないので、代わりに私がそのガリポタなるものの正体を突き止めようと泣き叫ぶ長男に質問してみます。
私「ガリポタって、何色?」
長男「白」
すかさず、傍らで聞いていた長女と次女が話に入ってきます。
長女「分かった、牛乳だ!」
長男「違います!」
次女「分かった、白熊だ!」
長男「違います!」
長女「分かった、雲だ!」
長男「違います!」
長女と次女は「飲みたい」と言う部分を完全に無視して、白いものを次々に挙げていきます。
そして長男はなぜか敬語で二人の解答に不正解を告げていきます。
弟が真面目な顔で「違います!」と罰マークを作るのを見て、二人のお姉ちゃんは爆笑し続けています。
「わーーーーッ!!違うって言ってるでしょ!!ガリポタでしょ!!わーーーーっ!!」
ついに爆発した長男は、お母さんの下に走り去っていきました。
結局、ガリポタの正体は妻が突き止めました。
色が白 ⇒ 長男は透明に近いものでも白と表現することがある。
味を聞いたところ… ⇒ 「甘い」と答える。
昨日飲んだの? ⇒ 「昨日飲んだ」と答える。(そもそも長男は3歳なので、そんなに前に飲んだものなどを欲しがることはない。)
ガリポタの正体は「ポカリスエット」だったんですね。
これはかなりの難問だったな…と。
それにしても相手の話を聞くときは、自分の価値観や自分の基準で言葉を発してはダメですね。
長女と次女のように「白」という情報だけで「分かった!」とベラベラ自分の答えをぶつけても、相手はイライラするだけです。
まあ、この例は極端かもしれませんが、大人同士の会話でも相手の話をよく聞かず、分かったふりをして勝手にこちらの考えを話し始めると、相手に悪い印象を与えてしまうことはよくあるのかもしれません。
我々の仕事もそうです。
生徒がどこが分かっていないのか、何を知りたいと思っているのか、そこをよく聞かずにこちらの思い込みでベラベラと解説し続けても的外れなことがあるかもしれません。
そうすると、生徒さんも「本当はそんなことが聞きたいんじゃないんだよな。この先生の話って長いし、分かりにくいんだよね。」と勉強に対するモチベーションを下げてしまうかもしれません。
相手の話をよく聞く。そして、相手が欲しいと思っている言葉を見つける。われわれ塾講師にこそ必要な意識だな、と。
今朝のガリポタ事件からそんなことを思いました。
ちなみに「ガリポタ」という言葉は本当にないのか、試しにネットで検索をしてみたら・・・
なんと「ガリガリ君コーンポタージュ」というとんでもない商品があるそうです。
コーンポタージュ味のアイス…
さすがに長男もこれを欲しがって泣き叫ぶことはないだろうな…と思いました。