先日、自習に来た高校生にこんな質問をされました。
「先生、『せいきん』って知ってますか?」
「せいきん」という響きから、聞かれた直後に「皆勤」とか「錬金」とか、そういう熟語をイメージしました。そして「精勤」という言葉が浮かんだのですが、なんとなくその高校生の表情が漢字を聞きたいわけでもなさそうだったのです。
なんとなくですが「時代遅れの先生はどうせ知らないでしょ~」という雰囲気を漂わせていたので、「知らない。」と正直に答えました。
どうやら「せいきん」というのは、その高校生が言うにはyoutuberの「ヒカキン」の兄弟らしいのです。(兄なのか弟なのかは、そのとき聞いたのですが忘れてしまいました。)
さすがに世間の流行に疎い私でも、「ヒカキン」は知っていました。しかし、兄弟まで世の中に出ていたんですね…
私はあまりテレビを見ません。見てもNHKの番組か、ちびまる子ちゃん、サザエさん、鉄腕ダッシュ、行ってQくらいです。パソコンやスマホでも、あまり動画は見ないのです。ニュースはよく見ますが、ワイドショーネタはほとんど見ません。
ただ、世の中のオジサンというのはたいがいがそんなものだろう、と私は思っていました。
が、どうやらそうでもないみたいなのです。同じオジサン仲間である教室長の樋口ですが、彼は若い講師の矢田や、アルバイトのサポーターたちと平然と話をしているのです。樋口と若者の話を聞いていると、出て来る人物の名前、場所の名前、その他もろもろ何かの名前、私にとっては分からないものばかりです。
分からない単語が目の前で飛び交うと、人間どういう気持ちになるか…
「自分が聞いても何言ってるか分からないから聞くのは辞めよう。」です。
「何々?どういうことなんだ?もっと知りたいぞ?」とは、なかなか思わないんですね。1つ分からない言葉が出てくると、その次はもっと分からない言葉が出てくる。何かしらのお店の名前だと思ったら実は歌手か何かの名前だった…、そういうことが続くと話を追うのをあきらめてしまうんです。
もしかしたら、これが英語や国語が苦手な生徒たちと同じ気持ちなのかも…
そんなことをふと考えたりします。
無理やり勉強に話を繋げてしまいますが、英語や国語が苦手な生徒さん達。まずは英単語や言葉の意味を覚えましょう。やはり、それが分からないと、まず授業中の話についていけませんから。
私は芸能人や流行のものについて知らなくても、せいぜいスタッフ達の話の中に入れず、ポツンと少し寂しい思いをするだけで済みます。
でも、皆さんは英単語や国語で出て来る言葉の意味を知らなければ、授業中の話もなかなか分かりませんし、テストの点だって上がりません。それだと毎日の授業に前向きに臨むことは難しいですよね。流行に乗り遅れている私の問題とは重みがぜんぜん違います。
中3生たちはこれから受験勉強が始まりますね。毎日の勉強の中で、分からない英単語や言葉が出てきたらどんどん調べて、どんどん暗記していきましょう。それだけでも、今までほとんど分からなかった英語の長文がなんとなく読めるようになったり、国語の文章を読む速さが上がったりすることもあると思います。
そういう私も、若者達とまともに話ができるように、もう少し世界を広げたいと思います…