「県令」1つ、スルーしない

おそらく、今週中3生からもっとも多くもらった質問は

「県令って何ですか?」

という質問です。

廃藩置県の説明の問題で出た用語です。

多くの受験生の解答を見てみると、「県令」を「何かしらの命令」と勘違いしている人が多かったです。

たしかに「令」という字は何かの決まりや命令を表すことが多いですよね。

歴史に「律令」という言葉もありますが、ここでの「令」もまさに決まり事を表す言葉でした。

そういうイメージから、「県令」が「何かしらの命令」と思い込んでしまうのは分かります。

が、その思い込みのままでいると、廃藩置県の内容がよく分からないまま入試本番に突っ込んでしまいます。

廃藩置県とは、

はん廃止はいしして県に統一とういつしたこと。知藩事ちはんじに代わって知事・県令けんれい(のちの県知事)が中央から派遣はけんされた。

学研キッズネット(一部抜粋)

です。

「県令」を「何かしらの命令」と思い込んだままの人は、「廃藩置県って県に対して国から何かしらの命令が出たってことだろうな。」と思っているかもしれません。

これでは入試当日に、「『県令』という語句を用いて廃藩置県の説明をしなさい。」のような問題が出た時に正答に辿り着くのは困難でしょう。

今週私に質問に来た受験生たちは、自分たちが思い込んでいる「県令」のイメージに違和感を持ったのだと思います。

「ん?なんか違うぞ、これは。ちゃんと理解しておかないとヤバい!!」

そんなことを思って私のところに来てくれたのかもしれません。

私が「県令って今でいう県知事のことだよ。たとえば埼玉県知事っているでしょ?この人。」と、大野知事の顔写真を見せながら説明した生徒さんもいます。

そんな説明をすると「あぁ、県令って”人”だったんですね。そういうことか~。分かりました!」と皆さん納得した様子で席に帰って行きました。

「県令」の正しい意味が分かって納得した受験生たちは、きっと廃藩置県の知識を以前よりも強固な記憶としてくれたことでしょう。

廃藩置県の問題に関しては2022年に出題されましたので、今年の入試で出題される可能性は低いかもしれません。

しかし、用語一つ「何となく」で流すことなく理解しようと突き詰める姿勢は、この直前期ではものすごく大切なことです。

残り3週間弱。

ここからは新しい知識を増やすのではなく、今頭の中にある「何となく」の知識を「絶対」の知識に変えていくことが重要です。

入試当日の緊張する中、時間に追われる中、皆さんを合格に導いてくれるのは「何となく」の知識ではなく、「絶対」の知識です。

「県令」1つスルーしない皆さんの意識。

とても頼もしく思いました。

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