「楽をするのが得」という誤った考え

人間だれしも楽(ラク)をしたいものなのかもしれません。

私自身も

「庭に穴を掘ったら100億円相当の小判が見つかった!!」

なんてことがあったら、「きっと仕事を辞めて楽をして暮らそう。」などと考えてしまう気がします。

「楽ができて得だなぁ~」と。

でも、それは本当に得なんでしょうか。

もし私が100億円の小判に舞い上がって仕事を辞めたとしたら、私はもう皆さんと一緒に勉強をすることができません。

講師やサポーターたちと一緒に仕事をすることもできません。

私はこの塾講師という仕事が大好きです。

それは生徒たちやスタッフ達と、真剣に一つの目標に向かって勉強したり、仕事をしたりするからこそ大好きなんです。

真剣に熱中し、充実感や達成感を得られるからこそ大好きなんです。

仕事を辞めないとしても、100億円の小判をもらったことで私の精神が腑抜けてしまい、仕事に対する真剣さがなくなり、いつの間にか大好きな仕事ではなくなってしまったら・・・

果たしてこれは「得」と言えるのでしょうか。

(もしかしたら、そんな腑抜けた私に愛想をつかして家族が家を出ていってしまうかもしれませんし…)

生徒の皆さんが将来、どこかの会社に勤めたとします。

その会社で皆さんは一生懸命に働いたとします。

でも、隣の机の人はいつもダラダラ。

手を抜いて終業時間までただ時間を潰すだけ。

もしかしたら、そんな隣の人を見て未来の皆さんはこう思うかもしれません。

「この人、ぜんぜん仕事しないで楽ばっかりして得してる!自分だけ一生懸命働いて損してる!」

気持ちは分かります。

でも果たしてそうでしょうか。

皆さんが一生懸命働いている姿を、きっと上司や同僚は見ています。

逆にダラダラしている隣の人のことだって上司や同僚は見ています。

給料に差がつくかもしれません。

昇進にも差がつくかもしれません。

同僚たちだって、いつも一生懸命に働いている未来の皆さんには力を貸してくれるかもしれませんが、サボってばかりの人にはきっと力は貸さないはずです。

それに当たり前のことですが、努力をしない人は成長しません。

そんな人が年を取り、もしその会社が潰れてしまったとしたら…

一方、努力を重ねた未来の皆さんはたとえ会社が潰れたとしても、実力があるので他の会社に入れるかもしれません。

場合によっては自分で会社を作って成功を収めるかもしれません。

楽をすることと、苦労(努力)をすること、どっちが得と言えるでしょうか。

今の皆さんの勉強も同じことが言えるかもしれませんね。

たとえば自分が塾に来て毎日努力をしているのに、誰かがいつも休んでいる。

そういう状況に

「あの子だけ楽して得してる。頑張って耐えて努力している私は損してる。」

そう思うこともあるかもしれません。

でも、そんなことはないんです。

努力していることが損なんてことは絶対にありません。

楽をすれば定期テストの点数は下がります。

志望校からも遠ざかります。

楽をすればするほど損をするのです。

一方で、辛い中でも努力を重ねた人にはどういう未来が待っているでしょうか。

自分でもびっくりするほどテストで点が上がるかもしれません。

志望校だっていろんな学校が選べるようになるかもしれません。

決して「頑張って損した」なんて思わないはずです。

楽をすること。

辛くても努力をすること。

どっちが得で、どっちが損なのか。

わざわざ私が言うことでもなかったかもしれませんね。

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