「ただやるだけ」では伸びません

世の中にはたくさんの勉強法があります。

「その勉強法の中でどれがいちばん成績が上がるのか?」

というのは、いつの時代も中高生にとっては永遠のテーマなのかもしれません。

人それぞれ、ハマる勉強法もあればハマらない勉強法もあると思いますので、私自身は「この方法が良いよ」とはあまり言わないようにしています。(自分の子どもたちにも言ったことはありません。)

しかし、「あ~この勉強では成績は伸びないだろうなぁ」と感じることはあります。

勉強方法というよりも、勉強の様子と言った方がいいかもしれませんが。

それは、「ただやるだけ」の勉強です。

例えば。

ただひたすらに英単語を書くだけの勉強。

誤解をしないで頂きたいのですが、英単語の練習が無駄だと言いたいわけではありません。

英単語練習をして覚えられる生徒さんもたくさんいると思いますから。

そうではなく、「何も考えずに手だけ動かしている」練習ではなかなか英単語を覚えることはできないということです。

手は動いているけど、頭の中が停止している状態。

勉強というよりも「作業」と言った方がいいかもしれません。

たまにですが、この「作業」的な勉強をひたすらやっている生徒さんを見かけます。

「絶対に覚えよう!」と思って英単語練習をしている生徒さんと作業のように英単語練習をしている生徒さん。

同じことをやっているのですが、実は見た目に違っていたりします。

表情が違うんです。

やはり、「絶対に覚えよう!」と思って練習している生徒さんは、前のめりで必死に練習しています。

一方、作業的になっている生徒さんは、どこかペンを持つ手に力がなく、姿勢もフワフワしていることが多い気がします。

スポーツで例えた方が分かりやすいかもしれません。

たとえばサッカーのシュート練習。

目の前にあるボールをただ蹴るだけでは、何回やっても上手になりませんよね。

どういう足の角度で、どのくらい力を込めて、ボールのどこに足を当てるか、ゴールのどこを狙うか。

おそらく、そういうことを一生懸命考えながら1回1回のシュート練習を行っているのだと思います。

バスケのドリブル練習だって、何も考えずにボールをついてるだけでは上手にならないと思うのです。

1回1回の手の感触を確かめながら、力をどのタイミングで入れるか、腕のどのくらい伸ばすか、腰をどのくらい落とすか、そういうことを考えながら練習してこそ、上達するのだと思うのです。

勉強も同じです。

1つ1つを漠然と作業的に行っている限りいくらやっても頭に残りません。

1つ1つを「絶対に覚えよう!」と思ってやるからこそ、記憶に残るのです。

「絶対に覚えよう!」と思えば「コレはアレと関連付けて覚えよう!」とか、「コレがこうなる理由は〇〇だから」とか、1つ1つの勉強に頭の中で工夫を凝らすようになるはずです。

英単語練習をやるにしても、ワークを解くにしても、「ただやるだけ」の作業ではなく、頭の中を動かす勉強をして欲しいと思います。

「ただやるだけ」では時間も労力ももったいないですから。

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