ドーハの奇跡

 突然ですがみなさん、「ドーハの悲劇」という言葉をご存知でしょうか。

 ドーハというのは西アジアにあるカタールという国の都市の名前です。その地で1993年にサッカーのワールドカップ・アジア地区最終予選が行われました。

 当時の日本はワールドカップの本選に出場をしたことがなかったのですが、この年はあと一度だけ勝てば、念願の本選出場がかなうというところまで来ていました。

 むかえた日本対イラクの試合。日本は前半に一点を決め、後半に失点するもさらに一点を取り返し、勝利のチャンスをつかみました。しかしロスタイム(最後に追加される時間)で得点を決められてしまい、引き分けのまま終わったために決勝へ進むことができませんでした。最後に得点できていたら、あるいは点を入れさせなければ、日本は本選出場を果たしていたのですが、その千載(せんざい)一遇(いちぐう)のチャンスをものにできませんでした。この時の出来事を、サッカーの試合が行われた地名をとって「ドーハの悲劇」と呼びます。

 その悲劇から約三十年が経ちました。その悲劇の場でサッカーフィールドに立っていた(もり)(やす)選手が、今度は監督となって同じカタールの地に立ち、11月23日の試合で奇跡的な勝利をつかみました。

 ワールドカップの日本の初戦は強豪国・ドイツ。これまでワールドカップで四度の優勝を経験してきたものすごく強い国です。勝つことはできなくとも、せめて引き分けで終わることができれば十分。そう思わせるくらいの強敵です。

 前半、日本はペナルティキックでドイツに点を与えてしまいます。そのあと、終始押され気味の試合でしたが、後半に入ってから流れが一気に逆転します。後半30分に(どう)(あん)選手が、そして後半38分に浅野選手が得点を決め、みごとな逆転勝ちをおさめました。一試合に交代できる最大の人数である五人の交代をうまく使った、まさにチーム一丸となった素晴らしい試合だったと思います。

 日本がワールドカップの優勝国を破ったのはこれが初めてだそうです。ひょっとしたら、今年のワールドカップは歴史的な瞬間に立ち会えるかもしれません。森保監督が率いる日本代表には、そう思わせるだけの力があります。次の日本の試合は、11月27日の日曜日、午後7時からのコスタリカ戦。普段、サッカーを見ない方でも、この際ぜひ、見てみてはいかがでしょうか。

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