小学2年生の長女が算数で苦しんでいました。
容積の単位の勉強。
L(リットル)、dL(デシリットル)、mL(ミリリットル)の単位の問題です。
単位換算の内容は苦手な人も多いところかもしれません。
長女も例にもれず苦手なようです。
1L=10dL、1dL=100mL、1L=1000mL、このあたりは大丈夫なようです。
では、1L5dLは何mLでしょうか?という問題。
答えは1500mLですよね。
が、これになぜか納得しない模様。
1L500mLじゃダメなのか?と言ってくるわけです。
「いや、それは( )L( )mLって、解答欄にあればそう答えるかもしれないけど、( )mLしかないから1Lの方も直さないと。」
と言うと、
「だったら、もともとLもdLも要らないじゃん!ぜんぶmLにすればいいじゃん!」と世界基準で決まっていることに対して、私にムチャクチャな文句をぶつけてくるわけです。
「いやいやいや、mLしかなかったら0が多くなっちゃうでしょ。例えば牛乳って1Lだけど、牛乳100本で100Lでしょ?もし単位にmLしかなかったら100000mLって言わないといけないんだよ?大変でしょ?Lでいえば0が減って分かりやすいでしょ。」と私が言うと、
「じゃあdLは要らないじゃん!Lの方が簡単なんだから!!」とたたみかける長女。
とにかく単位換算が嫌なようです。頭を使うのが嫌なもんだから、ああ言えばこう言う状態で私にイライラをぶつけてるだけなのだと…
「仕方ないでしょ。dLもあるって決まってるんだから。それを勉強しないといけないって決まってるんだから。文句ばっかり言ってるけど、それは『私は赤が嫌いだから、信号の色を赤じゃなくて紫に変えてくれ!』って言ってるのと同じだよ?そんなこと言っても、信号の色は変わらないでしょ?」と私が言うと、
「信号の色は黄色と青に変わるじゃん!何言ってんの!!」と長女。イライラMax状態で、もはや手がつけられません。
いや・・・そういうことを言いたいんじゃないんだけどな・・・と思いつつ、これ以上何を言ってもお互いイライラが積み重なるだけなので、彼女が教科書を見ながら宿題をやっている様子を見守るだけにしました。
話はL、dL、mLに戻ります。
やはり、小学2年生の教科書だとこの単位の学習に費やす時間は長いんですね。
長女も、もう一週間くらいはこの単位の勉強をやっているようです。
最初は苦しんでやっていたL、dL、mLの換算も、だんだんとできるようになってきているようです。
さて、自分の仕事に照らし合わせて考えてみます。
中学生に教えるときにLなどが出てくるのは、理科や数学です。全員が知っているのが当たり前のようにサラッと出てきます。
ここで小学生の時にしっかり覚えていない生徒は、理科や数学の計算に移る前にミスが出てしまいます。
LをmLに直すときにミスが出てしまうのです。(dLは、ほとんど出てきませんが…)
もちろん、我々もその時に「1L=1000mLだよ。」と教えはします。でも、教えると言っても授業のメインの内容は単位換算ではありませんので、本当に確認だけしかしません。ホワイトボードの端っこに書いて「忘れちゃってる人はメモしておいてね。」くらいで終わってしまうのです。
小学生の時は、教科書に容器の絵が丁寧に描かれていたり、実際にペットボトルを使ったりコップを使ったりして、LやdLやmLを確認する時間などがたくさんあるかもしれません。単位の換算だけで一週間以上も勉強しているのですから。
やはり、そういう時にしっかり覚えた生徒というのは、その後、単位に関する記憶もかなり残っているのではないでしょうか。少し忘れそうになっても、「あぁ、確か1Lの牛乳パックに1dLの容器で10回水が入ったな。1dLの容器は100mLって目盛があった気がする。」のように実際の記憶と結びついていることもあるかもしれません。
でも、その時の学習で手を抜いてしまい、まったく記憶に残っていない生徒さんは、中学でいきなり「1L=1000mLだから」とメモ程度で確認されたとしても、すぐに忘れてしまうかもしれません。そして、結局、単位換算が苦手なままで、単位を変えなければ計算できない理科の問題などはずっと苦戦し続けるかもしれません。
これはあくまで一例です。
すべての勉強に同じことが言えるのだと思います。
その内容を初めて習った時にきっちり理解し、記憶に残しておかないと、後になって取り戻そうとしてもなかなか難しい。後になって取り戻そうというときには、他にもたくさん学ばなければならないことが並行して現れてくる。そうすると、前の知識の復習や確認というのは、それほど時間を取れない可能性が出てくるのです。
今習っていることは、とにかく今理解して記憶に残すようにしましょう。
今習っている内容は、今がいちばん時間を取って学習できるチャンスなのです。今、しっかりやっておくことが、結局、一番楽な結果になるはずですから。