行けるかどうかではなく、行きたいかどうか

先日、ある新中3生(現中2生)と話をしました。

志望校についての話です。

その生徒さんがこう言いました。

「本当は、〇〇高校に行きたいんですが…」

素晴らしいと思います。

まだ入試まで一年あるというこの段階で、行きたい高校がすぐに出てくるだけで私はOKだと思います。

しかし、言葉は「行きたいんですが…」と後に続きます。

「今の成績じゃ…」と。

気持ちは分かります。

「今の成績では届きそうにない。やっぱり他の高校を考えようか…」

人間、失敗は嫌です。失敗は怖いです。

それは大人でも一緒です。

私だってそうですから。

でも、入試は一年後です。

「今の成績」で入試を戦う訳ではありません。

一年後、入試本番の時に「今、行きたいと思っている高校」のレベルに達していれば何も問題はないんです。

「今、行きたいと思っている高校」に届くように、この一年間、必死に努力を重ねればいいだけの話なんです。

届くどうか、ではないのです。

届かせるかどうか、です。

届かせるためにどれだけ努力をする覚悟があるか、そして努力を続けられるかどうか。

それだけです。

一年あれば逆転なんか、いくらでもできますよ?

逆転の話を聞きたいのであれば、ぜひ講師の矢田や大崎、サポーターの先輩たちに話を聞いてみて下さい。

努力の末に逆転合格した人もたくさんいますから。

「行けるかどうか」を考えるのはギリギリで大丈夫です。

私立高校でいえば個別相談会が本格的に始まる10月以降。

公立高校でいえば出願が始まる来年の2月。

「行けるかどうか」はそこまでは考えなくて良いのです。

「行きたいかどうか」その気持ちが大事です。

そして、「行きたい」からこそ、そのための努力をすることが大事なのです。

目の前のことを地道に、愚直にやり続けることで「行きたい」は「行ける」に変わります。

たとえば、まず「理社の極み」を誰よりも早く取り組んでみましょう。来週の社会のテストを誰よりも徹底して勉強してみましょう。

話は一気に変わってしまいますが、かつて埼玉県の吉見町に「岩窟ホテル」とよばれた洞窟があったそうです。

☞岩窟ホテル高壮館:21年間、ノミとツルハシで岩壁を掘り続けた男の執念(nippon.com)

上のサイトにある写真を見てもらえば分かると思いますが、この洞窟、洞窟と呼ぶにはあまりにも壮大な造りをしています。

その規模はまさに「ホテル」と呼ぶにふさわしい大きさ、造りです。

(ホテルとして作ったモノではないそうですが。)

何がスゴイかと言うと、この岩窟ホテルはたった一人の男性がノミとツルハシだけで作ったものなのです。

男性の名前は高橋峯吉さん。

農家出身の高橋峯吉さんは建築について学校などで学んだわけではありませんでした。

洞窟を掘るための知識を独学で学び、そしてたった一人で、しかもノミとツルハシという道具だけで、これだけのものを作り上げたのです。

(今はもう閉鎖され中を見学することはできませんが、岩窟ホテルがあった向かい側にある岩窟売店に当時の資料などが置いてあります。吉見百穴の近くで私も訪れたことがあります。岩窟ホテルはかつて松山城があった場所でもあります。)

話がだいぶ脱線してしまいましたが、この岩窟ホテルをつくった高橋峯吉さんの人生に「人間やろうと思えばたいがいのことができるんだ」という姿を私は感じました。

新中学3年生の皆さんが、今の「行きたい」を大事にしてこの一年間を戦い抜いてくれることを願います。

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