年度が替わって一月が経過しました。いかがおすごしでしょうか。
新しい学年に進んだ生徒さん、中学校や高校に進学した生徒さんは新しい環境に慣れたでしょうか。
中学校では今、一学期の中間テストが目の前に迫っています。またその後には体育祭が控えている学校が多いです。(高校もそうなのかな?)
そして6月中には部活動の大会もあります。そのすぐ後には期末テストがあります。それが終わったあたりには、いろいろな行事を経て、その学校に染まり切っていることでしょう。
去年度の高校入試の前日に、わたしは受験生に向けて「高校に入ったら新しい趣味を見つけてみてください」というお話をしました。
入試当日の心構えは塾長の山口や英語担当の矢田が話しましたし、学校でもおそらく似たことを言われたと思います。何度も同じ話をされたら飽きるだろうと思い、それで入試が終わった後の話をしました。
小学校から中学校へ、中学校から高校へ進学するとできることが大幅に広がります。だから新しいことに挑戦することで、何か自分に合う新しい趣味が見つかるかもしれません。
反対にできることが広がりすぎて、何をすればいいのかわからない、という場合でも「何でもいいから挑戦する」という心構えでいれば、うまく対処することができます。
たとえば、学校の先生が集会で英検や漢検の話をした。だから、今まで受けてみたことはなかったけど、次の検定に挑戦してみる。
または、今まで一人で出かけたことはなかったけど、広告で表示された映画がおもしろそうだから、一人で映画を見に行ってみる。
何でもいいから、新しいことを始めてみる。そのような体験から世界が広がると思います。
米澤穂信 著『冬季限定ボンボンショコラ事件』をはじめとする「小市民シリーズ」は、とある目標を掲げて学校生活を送ろうと奮闘する高校生たちの話です。
その目標は「小市民として生きること」。具体的には、高校では目立つ行動は避けて、つつましく生活しようとすることです。
というのも2人の主人公・小鳩常悟朗(こばとじょうごろう)と小佐内ゆき(おさない)は中学生だった頃、好き勝手やってしまって手痛い経験を味わいます。そのことを反省した2人は、高校ではおとなしく生活しよう、という目標を立てます。
4月26日に発刊された『冬季限定ボンボンショコラ事件』は、大学受験を目前に控えた主人公がひき逃げに遭うところから物語が始まります。突発的な事故かと思いきや、好き勝手やっていた中学生時代に遭遇した、似たようなひき逃げ事件との関連が徐々に浮かび上がってきて、むかし自分がやってしまった行為がその発端にあるかもしれない。過去の出来事と現在を行き来する推理が展開されます。
彼らは無事に、目標を完遂できるのか。ぜひ、シリーズ第1作『春期限定いちごタルト事件』から彼らの高校生活に触れてみてはいかがでしょうか。
(ちなみにこの作品、2024年7月に「小市民シリーズ」というタイトルでテレビアニメ化するそうです。楽しみですね)