研究の意義と自分の意思

こんにちは、サポーターの小高です。 現在、私は大学4年生で映像解析系の研究をしています。中学生の皆さんの中には、「研究って何をするんだろう?」と疑問に思う方もいるかもしれません。 そこで今回は、「研究の意義と自分の意思」というテーマで、私の経験をお話しします。

私が取り組んでいるのは「単眼カメラによるバレーボールのポジション検出」という研究です。

なぜこのテーマなのかというと……

実は、教授から「バレーボールの研究をやってみないか」と声をかけられたのがきっかけです。 理由を聞いてみると、バレーボールの映像データが豊富に手に入ったため、研究に協力してくれる人が必要だったとのことでした。

ただ、私はバレーボールの経験がまったくなく、ルールすら知らない状態。 そんな不安の中、5人の仲間と一緒に研究を進めることになりました。 そのうち3人はバレーボール経験者だったので、競技の基礎を教えてもらいながら、研究と並行して勉強も進めました。

5人それぞれが異なるテーマを担当しています。 私は「ポジション検出」、他には「ボールの着地検出」や「サーブの動作認識」、「選手識別」など。最終的には、これらの研究成果をひとつにまとめて、 「どの選手がどの場所にいて、どんな動きで得点したか」を自動で記録するシステムを作ることが目標です。

私の担当は「選手の位置を検出すること」。 週に1〜2回、進捗を発表しながら、教授や仲間からアドバイスをもらって進めています。

とはいえ、最初は何も分からず、アドバイスもない状態からのスタート。 まずは関連する研究を探し、英語の論文を読みまくるところから始めました。 日本語の論文はほとんどなく、英語の専門用語に苦戦しながらも、10本ほど読み、使えそうな技術を見つけて研究を進めました。

私の研究では、主に以下の2つの技術を使っています.

1つ目は骨格検出です。AIを用いて体の関節部分を点とし、その点と点を線で結ぶことによって骨格が検出できます。ポジションを判定する場合は選手の両足のかかとのポイントをとり、その中点をその人がいる場所とみなします。

2つ目は座標変換です。ポジションを特定する場合コートを真上から見たような映像が必要となります。カメラがどの位置にあってもコートの4隅さえわかれば、線形変換することでまるで上から見たような映像が作れます。

この2つを組み合わせることで、選手の位置を高精度で検出できるようになります。

ここまで来るのに、かなりの時間と努力が必要でした。 でも、頑張れば頑張るほど成果が出ることに、私はどんどん夢中になっていきました。

最初はバレーボールに興味もなく、やる気も出ませんでした。 しかし、仲間と一緒に研究を進める楽しさや、少しずつ成果が見えてくる喜びを感じるうちに、 「このテーマでよかった」と心から思えるようになりました。

残り半年ですが、より大きな成果を残し次の人へとバトンを渡していきたいです。

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