消えた地図記号?

皆さん、「工場」の地図記号って知っていますか?

「桑畑(くわばたけ)」の地図記号って知っていますか?

中3生なら「そんなの勉強したから知ってるよ」と思う人も多いかもしれません。

工場の記号は歯車の形ですよね。

桑畑の記号はアルファベット大文字のYの下を右側にピッと伸ばした形です。(←たとえが分かりにくいかもしれません、すいません。。)

2つとも今まで当たり前のように「入試に出るから覚えてね~」と伝えてきました。

いや、実際に入試に出てくることもありましたから。

それに学校の教科書にも、塾のテキストにも、その他の問題集などにも載っていますから。(現行の教科書やテキストにも載っています。)

しかし・・・

下の国土地理院のホームページを見てください☟

国土地理院【地図記号一覧】

「構造物」の一覧に工場がないのです!!

似たような記号である発電所はありますよね?

でも、工場はないのです!!

今度は「植生」の一覧を見てください。

桑畑がない・・・

なぜ工場や桑畑が地図記号から外されてしまったのか?

桑畑はなんとなく分かるかもしれません。

以前の記事でも書きましたが、日本では江戸時代~明治にかけて生糸生産がさかんで桑畑がたくさんありました。

「猫が馬の5倍も高かったという話(生糸生産に触れた記事)」

でも、今の時代、桑畑を見ることはほとんどないですよね。

私もどこに桑畑があるか、全く知りません(;^_^A

ほとんど存在しないのであれば、地図記号として残しておいても使いどころがありません。

残念ですが、消えてしまっても仕方がないことなのかもしれませんね。。

では工場はどうなのか?

「工場なんかたくさんあるじゃん!」

と思われる方も多いかと思います。

私もそう思います。

南大塚駅のちょっと先には工場団地があります。

狭山市民の私としてはホンダの工場が寄居町に移ってしまったのは寂しい限りですが、それでも他の企業の工場はたくさんあります。

それに今の時代、大きい建物でなくても、モノを製作している事業所はたくさんあるはずです。

極端に言えばマンションの1室を製造場所にしている事業所もあるでしょう。(工房と表現した方が良いのかもしれませんが。)

どうやら「たくさんありすぎる」のが問題らしいのです。

今の時代、厳密に「工場とは何か?」を特定するのが難しくなっているのだとか。

「モノを製造するのが工場」とすると、とてつもない数の工場の記号を地図上に書かないといけなくなるそうです。

たしかに地図上に歯車ばかりあったら訳が分からなくなりますよね・・・(;^_^A

桑畑とは反対に、工場は多過ぎて訳が分からなくなるから外された、ということらしいのです。

中学生の皆さんにとって一番重要なことは、

「じゃあ桑畑も工場も、地図記号は入試では出題されないってこと?ラッキー、2つ暗記しなくていいから楽できるじゃん!」

ということかもしれません。

が、おそらくですが入試にも定期テストにも出題される可能性はぜんぜんあるかと。

学校の教科書には今も工場も桑畑も載っていますから。

そして、消えた消えたといっても正確には「25000分の1の地形図から外された」なんですね。

地形図には他にも縮尺があります。

学校の授業でも出て来ますが、「50000分の1」の地形図なんかもある訳ですね。

50000分の1の地形図であれば桑畑も工場も使われる可能性はある訳です。

ということは工場も桑畑もやっぱり覚えておかないといけない訳ですね(;^_^A

「なんだよ、楽にならないのかよ!」

と残念がっている人もいるかもしれませんが、本当に残念なのはここからです。

皆さんが覚えなければいけない地図記号は減るどころか増えているのです!

皆さんは「自然災害伝承碑」という地図記号を知っているでしょうか。

これは2019年から新たに使われるようになった地図記号です。

こんな記号です☟

「いやいやいや、そんな珍しい地図記号、入試で出ないでしょ~」

と思う人もいるかもしれません。

が、すでに北海道では2022年の公立入試でこんな形で出題されています☟

「自然災害伝承碑」という言葉を直接答えさせるような問題ではありませんでしたが、今後はどこかの県で「この地図記号は何を表していますか?」のような問題が出される可能性もあるかもしれません。

(熊本県の学力テスト?ではすでに出題されたとか・・・)

だいぶ長い記事になっちゃいましたが。

地図記号ひとつとっても、世の中いろいろ変わっていくんだな~と改めて思いました。

そして、変わっていくたびに覚えなければいけないことが増えて行きますので、生徒の皆さん、頑張ってくださいm(__)m

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