生徒が質問しに来たときに、私が心がけていることは、答えを言わないということです。
例えば、ノートに書いてあること、教科書に書いてあること、答えを見ればわかるもの、その他調べればわかることについては、自分で調べるように指示します。
しかし、教科によっては答えを見ても解き方がわからないというケースが結構あり、実際、私が見ても少しわかりにくいなと思うことがあります。
そういった場合も解き方のヒントを少しづつ出して、途中まで一緒に解いていきますが、最終的な答えは自分で出してもらいます。
そして、少しづつヒントの量を減らしていき、最終的には自力で解けるようになってもらいます。
テストで良い点をとるためには自力で解けるようになることが必要不可能です。
もちろん、塾に入ったばかりの生徒だったり、生徒の苦手な教科の質問の場合には、答えが出そうな一歩手前まで、一緒に解いていくこともありますが、極力、最終的な答えは自力で出すようにしてもらいます。
同じような問題を何度も質問する生徒には、
「さっきの問題とほとんど一緒だから、一回自分で考えて分からなかったらもう一度来て。」
と私は言うようにしています。
しばらくしてから、
「さっきの問題解けた?」
と聞くと、ほとんどの生徒が
「解けました!」
と答えます。
例え、解けなくて、もう一度解き方を説明したとしても、その問題に自力でチャレンジしたということ自体が何より大事だと思います。
何でも教えることも、何にも教えないことも、ある意味簡単なことだと私は思います。
生徒の考える機会を奪うこともしてはいけませんし、まったくわからない状態で放っておくことも何か違う気がします。
何を教えるか、何を教えないか、その生徒にはどこまでのサポートが必要なのかを考えるのが、我々、塾講師にとって大切なことなのではないかと思います。