1月の14日と15日にかけて、大学入学共通テストが行われました。かつてはセンター試験、その前は共通一次試験と呼ばれていた、マーク式の試験です。
わたしがこの試験を受けたのははるか大昔のことですが、生徒に勉学を教える身として自らも研鑽をおこたってはいけないと思い、新聞に掲載されていた国語、数学、日本史、英語の共通テストを解いてみました。
まず、センター試験と大きく違っていたのはその文章の多さです。センター試験と比べて、共通テストの文章の量はどの科目も大きく増えているように感じました。特にそれが際立って見えたのは、英語です。センター試験にはあった発音・アクセント、文法を問う問題がなくなり、代わりに読解の問題が増えました。ほかにも、日本史では、資料を読んで答える問題が増えたような気がします。
これらのことからわかるのは、特定の知識を問うのではなく、その場で考えて答えなければいけない、思考力を問う問題が増えたということです。
例えば、有名ななぞなぞに「リンゴ、ばなな、スイカ、トマトを積んだトラックがカーブにさしかかりました。そこで、トラックが落としたものはなーんだ?」というものがあります。
このなぞなぞをあらかじめ知っていれば、果物の名前を数個読んだ時点で、この問題の答えを言うことができます。一方で、知らなければ考えて答えを出さなければいけません。
新しいテストの問題は、このような知っていれば答えられる問題が減って、単なる知識ではなく、思考力も使わなければならない問題が多く出題されるようになりました。英語で言えば、単純に知っていれば答えられるような文法の問題がなくなり、代わりに読解問題が増えました。逆に考えれば、多少の知識の不足があっても、ほかの能力でカバーできるチャンスが増えたといえるかもしれません。
この変化は受験において求められる能力が、詰め込み式の知識から、よりその場で問題に対処できる思考力へとシフトしたということだと言えます。今のところ、関係のない方が多いかもしれませんが、将来に向けて頭にとどめておくといいかもしれません。