受験に向けて (大崎)

 わたしはこれまでに二回、受験を経験してきました。皆さんがいま直面している高校受験と、全員ではないだろうけど、これから三年後に経験するかもしれない大学受験と。大学受験の場合、複数の私立大学を受験したので、見方によっては何回も受験を繰り返していると言うこともできるかもしれませんが、しかしやはり受験というやつは勉強する期間があってのことですから、高校三年生の春から冬にかけての体験を一つの受験とカウントするのが適切でしょう。

 高校受験、大学受験。この二回というわずかな経験の中で、わたしはそれぞれ失敗を経験しています。

 まず高校受験。わたしは、当時はまだいた友達と試験を受ける高校に向かいました。事が生じたのは昼下がり。なんとわたしは、お昼ご飯を食べ過ぎて眠たくなってしまったのです!おかげで英語の試験の間はずっとまぶたが重たかったです。わたしはお母様にお弁当を作っていただいたのですが、お母様を悲しませまいと完食したのがいけなかった。最高のパフォーマンスを発揮するためには、お母様を悲しませてでも食べる量を制限するべきだったのです。この記事をご覧になっている受験生の方がいましたら、昼食には気を付けてください。保護者の方も、あまりにおいしそうなお弁当を作ってしまうと、お子様の食欲が抑えられなくなるので気を付けてください。

 次に大学受験。まず、大学最寄りの駅の構内について調べておかなかったのがいけなかった。どこに改札口があるのかを知らないで、周りの人に流されるまま進んでいったら、外に出るつもりが、間違えて山手線のホームに入ってしまいました。東京の駅は複雑です。二階にいるつもりが、気がついたら三階にたどり着いていました。駅員さんに事情を話し、改札口のありかを教えてもらってようやく外へ出ることができました。

 その日は帰りも失敗をしました。わたしは観光地などの知らない町に行くと、方角だけを大体把握して、細かい道筋をあまり気にせずに目的地に向かう癖があります。しかし東京の街は適当に歩いて進むにはあまりに複雑でした。西武線の駅に向かって歩いているつもりが、線路すら見えてこない。しかも、なんか近くを走っていた路面電車に乗ったら、行きたい方向と真逆に電車が向かうではありませんか。それで大学最寄りの駅に着いたのは、受験が終わってから一時間半が経った後のことでした。

 こんな感じでわたしの受験は失敗に彩られているわけですが、しかしその度にわずかながら成長をしていることも事実です。大学受験の時は食べ過ぎませんでしたし。

 さて、思いつく限り失敗はあと五つほどあるのですが、失敗ばかり書いていたって仕方がないので、個人的な受験当日の心構えを記したいと思います。わたしはこれで受験を乗り切りました。

 まず「自分が一番頭が良い」と思ってください。学校について、周りを見渡して、たくさんの受験生がいると思います。そのなかで自分がスマートで賢くて頭が良い人間だと思ってください。きっと緊張がほぐれると思います。

 試験中、咳やびんぼうゆすりが激しい人間がいても気にしないでください。むしろ試験が始まったら軽く咳払いするくらいの気持ちでいましょう。あくまでも他の受験生の邪魔にならないように。高校受験だと、周りの受験生の顔を覚えていて入学後に「あ、あの時の人だ!」という風に話しかけてくる人がたまにいます。これから通う高校の同級生に悪印象を与えないようにしましょう。

 最後に、受験が終わったらめいっぱい自分をほめてあげることをおすすめします。長い間苦しんできた自分をたくさんいたわってください。わたしは大学受験が終わった後、自分へのごほうびにニンテンドースイッチを買いました。その日が水曜日で、丸広が定休日で閉まっていたことを今でも思い出します。とっても悲しかったです。これも受験の失敗の一つでした。

 今まで頑張って来た受験生の皆様に「頑張ってください」と声をかけることはできません。うまくいきますように。もう少しで受験が終わりますね。少し早いですが、お疲れさまでした。受験を経て、皆様の更なる飛躍と成長を心から祈っています。

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