自分としては頑張った。今まで一番努力した。でも、結果が出なかった。
そういう経験は誰でもあると思います。もちろん、私にもあります。
努力して結果が出なかったとき、その先に2つの選択肢があるような気がしています。
「こんなに頑張ったのにダメだった。自分はやっぱりダメなんだ。」と思うのか。
それとも、
「自分なりに頑張ったつもりだったけどダメだった。やっぱりまだ努力が足りないんだ。」と思うのか。
勉強だけでなくスポーツの世界でも、どちらの気持ちになれるかでその先の結果は大きく変わっていく気がします。
小中学生の皆さんだけじゃないですね、われわれ大人の仕事だって同じかもしれません。
良い仕事をし続けられるのか、それともどんどん悪い仕事になっていってしまうのかは、この気持ちの持ちよう次第なのかもしれません。
正直に話しますと、私も「こんなに頑張ったのにダメだった。自分はやっぱりダメなんだ。」と思ったことがあります。
それは中学生の時にやっていたバスケットボールです。
私は小学生からバスケットボールをしていました。中学2年生の後半まではそれなりにバスケにのめりこんでいたんです。
朝練も毎日行ってましたし、時には部活が終わって帰宅後にも自主練をしに行くこともありました。家で筋トレをすることもありました。
ただ中学2年生の秋ごろにあった大会で思うような結果にならなかったんです。同時に、小学校から一緒にバスケットをしていた友達のT君に何をやっても勝てない自分にも気づくようになりました。
「こんなに頑張ってるのに上手くならない。Tには勝てない。才能が違うんだ。もうバスケを頑張るのは辞めて勉強をやろう。」そういう気持ちになりました。
(以前、私の受験勉強について記事に書きましたが、実は「バスケからの逃げで勉強に走った」という面もあったのです。)
部活自体は辞めませんでしたが、朝練にも行かなくなりましたし、自主練もしなくなりました。
当然、バスケが上手くなるはずもありません。最終的には控えメンバーにも抜かれ、中学生最後の試合ではレギュラーメンバーから外れました。そして小学校から続けて来たバスケは高校入学とともに辞めることになりました。
中学生の山口少年からだいぶ時が経ち、山口学習塾を立ち上げ何年か経ったときの話に変わります。
今は講師として皆さんの前に立って授業をしている矢田がまだ生徒の時。
小江戸川越マラソンが始まりました。それとともに私もマラソンを始めたのです。
マラソンを始めた当初、何も分からず「ハーフマラソンで1時間30分は切りたいなぁ」などと漠然と目標を立てていました。
大会の出場に向けて、自分なりにはトレーニングをしたんですね。毎週末には塾の近くの電源開発をぐるぐる回ったり、水上公園まで走りに行ったり。(当時は塾の近所に住んでいましたので。)
平日もちょこちょこ走り、「こんなに頑張ってるんだから、1時間30分くらい切れるんじゃないかなぁ」なんて考えていたんです。
結果は1時間50分も切れず…
その時、不思議と「こんなに頑張ったのに…」とは思いませんでした。レース中に私より全然速いタイムで走る人の集団とすれ違うんです。その集団の人たちの必死の表情、引き締まった体、それらを見ているととてもじゃないですが「こんなに頑張ったのに…」とは思えなかったんです。
素直に「全然努力が足りなかったんだ。考えが甘すぎた…。」と、むしろ自分自身の努力不足や甘い考え方に恥ずかしい気持ちになりました。
そこから翌年以降の大会で徐々にタイムを縮めていきましたが、なかなか1時間30分を切ることはできませんでした。でも、いつも思うのは「やっぱりこれじゃ努力が足りないんだ」ということでした。
前の大会でタイムが切れなかったんだから、前の年よりももっと追い込んだトレーニングをしなければならない。そう思い、毎年、トレーニングの量は増えていきました。
毎年、毎年、小江戸川越マラソンのためのトレーニングを積み重ねていく中で、ようやく目標であった1時間30分を切ることができたのは、マラソンを始めてから5年後のことでした。
どちらの話もスポーツのことですし、私の個人的な話です。それを皆さんの勉強に強引に結びつけるつもりはありません。
ただ今回の中間テストで、もし「こんなに頑張ったのに…」と思う人がいたら、少し周りを見てみてほしいと思います。
自分よりも結果を出している人がどのくらい努力をしていたのか。やっぱり結果を出している人は自分よりも努力を重ねているのかもしれません。
中学時代の山口少年も、友達のT君の努力にもっと目を向けることができれば、また違った気持ちになれたのかもしれません。
「自分はこんなに頑張ったのに…」ではなく、「Tはあんなに頑張っていたのか…」そう思うことができたら、結果は違ったのかもしれません。
最後に何度かブログでも取り上げている言葉で、教室にも掲示している言葉を生徒の皆さんに届けたいと思います。
『努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない。』
王貞治
野球の王貞治さんの言葉です。
厳しい言葉ですが、希望に満ちた言葉でもあると思っています。
中学時代の山口少年にはもう届けることができませんが、皆さんの心の片隅にでも残してもらえればと願います。