今、生徒の皆さんはサポーターの先輩たちに当たり前のように質問をしていると思います。
もしかしたら、我々講師陣よりもたくさんの質問を受けているサポーターもいるかもしれません。
(それはそれで、われわれ講師陣はもっと精進しないといけないのですが…)
しかし、以前はこんなにサポーターたちが質問を受けるような光景はなかったんですね。
というのも、私自身がサポーターたちに期待していた仕事が以前は違ったからです。
(これは今となっては反省しかないのですが…)
私が卒業生たちをサポーターとして呼び始めた当初、私はサポーター達に
”丸付けをメインとして事務作業をやってもらう”
ことを期待していました。
そして、その当時のサポーターたちも、皆、真面目に一生懸命仕事をしてくれていました。
しかし、私がそのように期待していたので、生徒さんからの質問はほとんどが講師達に集まって来たんですね。
そうすると、質問したくてもすぐにできない生徒さん達が出てきます。
3,4人の生徒さん達が質問待ちになってしまうこともありました。
そういう状況になって始めて
「サポーターの先輩たちに質問してもいいよ。」
と、生徒さん達に言うのですが、一度も話をしたことのない人に質問をするのはなかなか勇気がいるんですよね。
結局、われわれ講師の誰かが空くまで待っている生徒さんがほとんどでした。
こういう状況に至り、樋口が私に言いました。
「サポーターには極力生徒と関わってもらおう。事務作業も大事だけど、そればかりだと、いつまで経っても生徒たちも気軽にサポーター達に質問をすることができない。普段から生徒とコミュニケーションをとってもらうために、事務作業よりも生徒たちとの会話を大事にしてもらおう。」
当初、私は樋口のこの意見に賛成をしませんでした。
事務作業の負担が私含め講師達に来てしまうからです。
「サポーター達に事務作業をやってもらうからこそ、われわれ講師達が生徒さん達と関わることができる時間が増えている」と、当時は考えていたからです。
しかし、樋口は譲りませんでした。
それでは変わらない、と。
それではずっと質問をしたいと思っている、意欲ある生徒さん達を待たせ続けてしまう、と。
事務作業などは生徒が来る前の時間で全力で何とか終わらせてみよう、と。
よく考えてみれば、要らない業務もあるかもしれない。そういうことを削って行けば、サポーターに事務作業を振らず、生徒たちと向き合う時間を取ってもらうことができるのではないか、と。
私も最終的には樋口の意見に折れ、方針を変えました。
「サポーター達には何よりも生徒たちと関わることを最優先に仕事をしてもらう。事務作業よりも会話。」という樋口の意見に従いました。
今思えば、樋口の意見に従って本当に良かったです。
私が反対をしても、頑として意見を通してくれたことに感謝しています。
業務を見直した結果、事務作業などはほとんど昼間の時間に終わらせることができるようになりました。
そして、サポーターたちが積極的に生徒さんに話しかける機会が増えたのが本当に良かったです。
以前は、講師に質問できない時は講師が空くまで待っていた生徒たちの姿が教室にありました。
今は講師が空いていなければ、手が空いているサポーターを見つけて直ぐに質問しにいく生徒さん達の姿があります。
間違いなく、以前の教室よりも活気のある教室になっていると思います。