中3生の授業で先日行った北辰テストの過去問。
「下剋上(げこくじょう)」という言葉の説明が出題されていました。
答えは「下の身分の者が上の身分の者に打ち勝つ風潮」となる訳ですが、時々、「武士が大きな勢力を持つ風潮」や「商人が活躍する風潮」のように答えてしまう人も出てきたりします。(幸い今回の過去問ではそのような答えはありませんでしたが。)
おそらくですが、そうやって答えてしまう人達は「丸暗記」に頼り過ぎているのかもしれません。
社会が苦手な人ほど、早く苦手な社会の勉強から逃れたいがために手っ取り早く「丸暗記」をしようとする傾向があるような気がします。
でも、丸暗記に100%頼ってしまうと、いざというとき忘れてしまいます。
何かに結び付けて覚えていないと記憶はすぐに薄れてしまうのです。
ちなみに今回出て来た「下剋上」の意味は字そのままなんですね。
「下が上に打ち剋つ(勝つ)」
字の通りなのです。
そうやって字の意味を意識して覚えていくと忘れにくくなりそうですよね。
他にも「元寇(げんこう)」という歴史の言葉があります。
モンゴル民族が日本に攻めて来た戦いのことです。
この頃、中国はモンゴル民族によって支配されていました。
そして、このモンゴル民族によって建国された国の名前が「元」だったのです。
そして、寇(こう)という字。
この字は、「外部から侵略してくる敵」を意味します。
つまり、「元寇」とは「元という国から侵略してきた敵(寇)」を意味しているんですね。
この寇という字は、他の歴史用語でも使われています。
「倭寇(わこう)」です。
では、これはどういう意味なのか?
倭というのは、やはり国の名前なんですね。
どこの国だと思いますか?
実は倭というのは日本を指します。
つまり「倭寇」は「倭(日本)という国から侵略してきた敵(寇)」という意味になります。
ということは、「倭寇」という言葉は日本の言葉ではない、ということになります。
これは鎌倉時代~戦国時代にかけて中国や朝鮮で使われた言葉です。
日本の九州や瀬戸内海出身の人たちが、中国や朝鮮で海賊行為を行っていたことから「倭寇」と呼ばれ始めたらしいのです。
(実際は日本人だけではなく、中国人や後にはポルトガル人まで海賊行為に加わっていたみたいですが…)
この倭寇をきっかけに足利義満の時代に勘合貿易が・・・
と続けると、さすがに歴史の授業のようになってしまいますので、このあたりで勉強の話は止めましょう。
最後に皆さんにお願いがあります。
「また山寇が来たよ~」とか、陰で変なあだ名を付けるのはやめてください。
「あの先生、たまに怒るから俺たちの平和を侵略するんだよな。山口の侵略=山寇でしょ。」と。
そのあだ名を私に付けることによって、皆さんが元寇や倭寇をしっかり覚えてくれるのであれば甘んじて受け入れますが…