日曜日は次女の幼稚園の運動会に行ってきました。
私の子ども達はかなり自然に囲まれた幼稚園に通っているのですが、その運動会もまた普通の幼稚園とはちょっと変わっているような気がします。
日曜日の運動会、プログラムが進行し午前11時ごろになったとき、とつぜん理事長先生がマイクを取りました。
「時間が余っているので、園児たちのマラソンを見てください!そしてぜひお父さん、お母さんも一緒に走ってください!」と。
「マラソン」というプログラムは進行表には一切書いてありません。
理事長の提案でとつぜん行われることになったのです。
(ちなみにその後も、進行表にはない「保護者対抗タイヤ転がしリレー」も現れました。私はどちらかというと「競技に参加したがり」保護者なので、理事長のこういう発案は大好きだったりします。「進行表に書いてなくても保護者参加競技が急に現れるだろう」ということを毎回期待し、いつも幼稚園の運動会などにはしっかり走ることができるマラソン用のシューズを履いて行っています。眼鏡もスポーツ用で。)
さて、子どもとのマラソンに話を戻したいと思います。
昨年、幼稚園のマラソン大会を見に行った時は次女は全くやる気なし、応援に来た私を見つけては立ち止まり「なんで来るんだよ~」とふざけてみたり。
(この子はあまりマラソンとか、根気が必要なことは得意ではないのかなぁ)などと思っていたのですが…
この日はスタート地点に立つ時からやる気満々。
私が「頑張ろうな!」と言っても、その声が聞こえないほど集中していました。
園長先生のスタートの合図とともに園児たちが一斉に走り出します。
私も普段から走っていますので、(幼稚園児だからこのくらいかなぁ)などと考えてジョギングペースで走り始めたのですが、、なんとビックリ!
想像以上に速いんですね、園児たちのスピードが…
どの子もペース配分なんかまるで考えずにとにかくダッシュで走り始めるんです。
その中に私の次女の姿もありました。
私はジョギングペースで余裕をもって次女の前で先導するように走ろうと思ったのですが、スタートダッシュの時点で彼女の背中を追うことになりました。
少しペースをあげ並走して彼女の様子を伺うと、1年前とは別人。
1年前は走り方もタラタラ、表情もヘロヘロだった次女が、この日は非常にたくましい走り方、凛々しい表情で走っていました。
自然に囲まれた幼稚園なのでマラソンコースもアップダウンだらけです。(クロスカントリーの練習にはもってこいの地形です。)
けっこうな上り坂もありますので、へとへとで歩いている園児や保護者の方もたくさんいます。
一番キツイ上り坂に来ると、さすがに次女もかなり苦しそうに何とか走ろうと足を前に出している状態。
それでも「絶対に歩かない」と決めているのか、腕を一生懸命に振っています。
坂の上に一足早く着いた私は、まだ坂道を上っている次女を応援しようと振り返って驚きました。
なんと、すぐそこに次女がいたのです。
いつの間にか、私の背中にピッタリ食らいついて坂を上って来ていたんですね。
そして、最後の直線、残っているエネルギーをすべて振り絞るかのように私を走り抜いていきました。
大人になると何事も計算高くなります。
そして、計算できる困難に対して臆病になります。
私自身のマラソンのトレーニングを考えても、「最初から全力を出してしまったら、残り〇㎞で辛くなってしまう…」という計算をして最初から全力で走ることはなかなかできません。どこかに力をセーブしてしまう心の弱さがあります。
そして、これは何もマラソンに限ったことではなく、日常の生活や仕事でもそうなのかもしれません。
「こんなに頑張ったら次の日疲れて何もできなくなってしまう。」
「最初は頑張り過ぎない方が、あとあと良いだろう。」
そんなことを考えて力をセーブすることが多いような気がします。
もちろん、大きな失敗をしないためにはペース配分や臆病になることも必要だと思います。
しかし、「後先考えず力の限り尽くす」という姿勢も、時には必要なことなのかもしれません。
次女を含め園児たちが見せてくれた姿勢。
後先考えずにとにかく全力で始めること、そして、辛くなったらなったで、その時は力の限りあきらめないこと。
そういう姿勢が今の自分にどれだけあるだろうか、そんなことを考えさせられました。