チャレンジをして、知る世界

サポーターの染井が自ら服をデザインして、それを販売しているそうです。

学生のうちに起業する人が増えているそうですが、染井のこのチャレンジもその一つと言えるのかもしれません。

素晴らしいことだと思います。

多くの人が、学生時代というのは「学校から与えられた課題をいかに上手にこなすか」だけを考えがちです。

そして、その延長で就職活動の時期になれば、今度は「企業に選んでもらうためにいかに上手に見せるか」を考えることになります。

私の学生もそういう部分が多かったかもしれません。

しかし、染井がやったチャレンジというのは、大学側から与えられたものではありません。

だから、それをやったからといって大学のテストで良い点をもらえるものでもありません。

それをやったからといって、「必ず何かがもらえる」と言ったものでもありません。

お金を払ったからといって映画が見れたり、おいしい食事ができたり、旅館に泊まれたり、カラオケで歌が歌えたり、といったものでもありません。

もっといえば、お金を払って服を作っておきながら、売れる部数が少なければ金額的には損をする可能性だって十分にあることなのです。

だからこそ、私は彼のこの取り組みこそが素晴らしいチャレンジだと思うのです。

「今のところ、払ったお金の方が多いんですよ。。」と彼は私に言いました。

でも、私はそれでも十分に価値のあることだと思いますし、そのように彼にも伝えました。

チャレンジをした人間にしか見えない世界があると私は思います。

染井は今回、服を作ったり、売るにあたり、色んなことを調べたと思います。

ホームページの作り方などは、私にも質問してくれました。

発注をどこに頼むと安いのか、安いところに頼むとデザインがどう限られてしまうのか、品質がどの程度のレベルになってしまうのか、それをどのくらいの値段であれば買ってくれる人は納得できるのか。

きっと色々考えたと思います。

そして、実際に売り出してみて、物を一つ売ることがいかに大変なことかも実感できたと思います。

もしかしたら、ユニクロやしまむらなど大手衣料品店がいかに企業努力をして良いものを安く売っているかを実感したかもしれません。

こういうことは、本やネットの記事を読んだだけでは分からないと思うのです。

もちろん、言葉上は理解できるのかもしれませんが、実際にやってみた人が体で学んだことには決して勝てないと私は思います。

染井の話の途中なのに、私事を入れて申し訳ないのですがマラソンも同じです。

言葉で「21㎞を1時間30分で走るには、1㎞あたり4分15秒で走ればいい」と理解しているのと、実際に21㎞をレースで走って理解するのではまるで違うと思うのです。

道は平坦ではありませんし、風も吹きます。またレースであれば周りの人と並走するのか、単独走になってしまうのか、でだいぶ気持ちも変わります。

給水はどのくらい取れれば安心するのか、給水ではどんな状況が待っているのか。そんなことも実際に走ってみなければ分からないんです。(だからこそその分、若いサポーターの村瀬や藤森よりも、私は有利だと思い込んでいる訳ですが 笑)

染井が話の最後に言ってくれました。

「お金はマイナスになってしまうかもしれないですけど、色んなことを学べたのでぜんぜん良かったと思っています!」と。

その言葉は私にも励みになりました。

チャレンジというのは、すぐに結果が出たり、最初から何かがもらえるものではないんですよね。

まず、初めに何かを犠牲にしなければいけない。そして耐えなければいけない。

染井の服であれば、最初にお金やいろいろ調べる時間だったのかもしれません。買ってもらえるようにいろんな人にお願いをする精神力も必要だったかもしれません。

私や村瀬や藤森のマラソンであれば、走る時間や面倒くさい、辛いという気持ちかもしれません。

「いつかどこかで必ず報われる」と自分自身を信じ抜いて、そこまでの犠牲は耐え抜くこと。

そして、結果が出た時に「やって良かった」と、自分自身を認めてあげること。または、「努力が足りなかった、次こそは…」と新たな活力を自分自身で見出すこと。

チャレンジをするということは、自分自身に問われていることがたくさんあると思います。だからこそ、大きな成長にも繋がるし、世界が広がるのだと思います。

染井が嬉々として自分のチャレンジを話してくれたことを非常に嬉しく思います。

同時に、私自身も彼に負けないチャレンジを続けないといけない、と改めて思いました!

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