あれもこれもはできない、だからこそ…

実は昔、山口学習塾で中学受験指導や高校生指導を行っている時代がありました。

まだ山口学習塾を開業したばかりの頃。

その頃は、私(山口)一人で授業を行っていました。

今、我々は講師3名、アルバイトのサポーターは10名以上います。

「塾長一人でやっていた時は中学受験も高校生指導もやっていたのに、なんでスタッフが多くなった今はやってないの?」

そういう疑問を持たれるかもしれません。

受験を終えた中3生からは「高校生になってからも指導して欲しい。」という非常に嬉しい声も頂きます。

しかし、申し訳ない気持ちを抱えながらも断っております。

なぜか?

それは「あれもこれもはできない」からです。


我々講師は昨日の生徒さんの様子の報告から仕事を始めます。

点数が思わしくない生徒さん、元気のない生徒さん、理解度が不安な生徒さん。

講師全員で一人一人の生徒の様子と対策を話し合います。

どの生徒さんをどの教科で補習に呼ぶべきか、元気のない生徒さんには誰がどういう話をすればいいか、なども担当の間で話し合います。

それが終わるとそれぞれ夜の授業準備を始めます。

授業準備は予習をしたり、板書案を作成したり、だけではありません。

「誰にどのプリントをやってもらおうか。どの問題までやってもらおうか。」と、生徒一人一人の顔を思い浮かべながら、その日、皆さんにやってもらう課題を用意するのにも多くの時間をかけます。(場合によってはプリントを講師が自分で作成することもあります。)

本部校は集団指導の形式を取ってはいますが、実際のところ「このクラスは全員一律にこれを指導する」というケースの方が少ないかもしれません。

もっと良い指導を、もっと一人一人の生徒が成績の伸びる指導を。

そういう意識で授業の準備をしていきますので、何年塾講師をしていても、とても時間がかかります。


もしかしたら中学受験や高校生指導にまで手を広げれば、もっと多くの生徒さんに通ってもらえるかもしれません。

とくに卒業生からは「高校生になっても教えて欲しい」とおっしゃって頂くことも多いですので、高校生クラスを作ればもっと多くの生徒さんに通っていただける可能性はあるのかもしれません。

しかし、高校生指導に手を広げてしまえば、先ほど書いたような授業準備や、一人一人の生徒に対する気配りは間違いなく薄くなってしまうでしょう。

広く薄く、という仕事は私自身は好きではありません。

狭くても深く、その方が私は断然好きなのです。


先日の中3生の英語の授業では、サポーターを教室の後ろに配置しました。

後ろの方に座っている生徒さん達がより質問しやすいように、そして一人一人の生徒さんたちにより目が届くように、そのような形で授業を行いました。

今いる卒業生サポーターたちは非常に優秀なスタッフ達です。

英検などの資格は、塾長の私よりも上級のものを取っているスタッフもいます。

知識的にも、コミュニケーションの能力的にも、十分に高校生の個別指導などはできると思います。

しかし、我々はそこに手を広げるのではなく、今行っている小学生、中学生の授業により深くエネルギーを注ぎたいのです。

サポーターたちには私が授業している隣の部屋で新たに高校生授業をしてもらうのではなく、私や講師達の小学生・中学生授業により厚みを持たせるために力を借りています。

我々はあれもこれもはできません。

だからこそ、公立小学校に通う生徒さん達への指導、公立中学校に通う生徒さん達への指導、ここは妥協をせずに力を注いでいきたいと思っています。